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　ロシア革命期の混乱のウクライナを舞台にした、ピカレスク小説です。
　おぼこい思春期の主人公の成長（と転落）を描いたビルドゥンク小説風に仕立ててあるけど、 描かれた状況が凄惨です。

　小ロシアの地主階層の生活を、トルストイが描いたよりもあくどく本音丸出しに描いて見せてくれます。
　※　ここで言う小ロシアとは、18世紀末以降ロシア帝国の辺境地としてウクライナの地方性を強調する表現（Wikipediaから）
　それが今風に言うチュウ坊の心根に、上手い具合に反映します。
　剥き出しの真実に主人公が目覚め、乗り越えて悪党へと成長していきます。

　2022年2月に始まった、ロシアによるウクライナ侵攻に触発されて、再読しました。
　現実の報道映像が、小説にオーバーラップします。

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