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　坂田靖子のマンガは茫洋としたタッチと、ほんわか優しい語り口で、大好きです。

　原本の『堤中納言物語』は歌物語のはずが、こうやって漫画で見ると、 妙に当時の日常生活を描いていてなかなかおもしろい。

　「虫めづる姫君」しか知らない人が ほとんどでしょうね。

　そういう私も「虫めづる姫君」しか 知りません。いやはや、漫画読んでやっぱり良いこと言うな、この姫君、と再認識しています。

　「気にすることないわ　人生なんてしょせんまぼろしのようなものよ 　今この時代のいいとか悪いとかなどたいしたことじゃないわ」

　人生はまぼろしと言いながら、普遍的な価値観に論旨を転換するこのたくましさ。

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