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　今年１月１日付け刊行の、新潮文庫20世紀の100冊シリーズの１冊に 与謝野晶子『みだれ髪』がありました。
　晶子の伝記をマンガで読んでいた娘に、むづかしいかなとおもいつつ 買ってやりました。
　とてもよろこんでいるので、開いて、歌を一つふたつ読んでやろうと して･･････絶句。

　こんな本を、恥ずかしげもなく本屋の店頭に平積みしていいの。すく なくとも十才の子供のよむものでは、ないわな。


　まずは代表歌。
「その子二十　櫛にながるる　黒髪の　おごりの春の　うつくしきかな」

　学生時代にはがきで文通していた女の子が、成人をむかえる新春に書 いてよこしました。これはきれい。でもあいつ、すでに『みだれ髪』を よんでいたわけだ。

　二十年のおくれをいま悟るｅｑｕさんです。


「臙脂色は　誰にかたらむ　血のゆらぎ　春のおもいの　さかりの命」

　臙脂色は、やや黒味を帯びた濃厚な 赤色。恋をあらわすのに臙脂をもってくることは、当時にあっては挑発的。
　怖れを知らずロマンの歌にのめり込む二十の晶子の才気と若気をあら わしてるのでしょう。


「やは肌の　あつき血汐に　ふれも見で　さびしからずや　道を説く君」

　これもとても有名。挑発的です。


「人かへさず　暮れむの春の　宵ごごち　小琴にもたす　乱れ乱れ髪」


「みだれ髪を　京の島田に　かへし朝　ふしてゐませの　君ゆりおこす」

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