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　２００９年は神林長平のデビュー三十周年となるそうです。

　最初は、他者から切り離されそれと距離を置いて、 人とであれ機械とであれ関係性を問う作品群をひたすら書いていた神林長平も、 いつしか熱烈なファンと、彼の後継者たる作家たちから賞賛されるようなビッグネームとなりました。
　特に、ゼロ年代ＳＦと呼ばれる分野の作家は、神林の影響を強く受けたこと明言します。

　このアンソロジーは、ゼロ年代ＳＦ作家による神林へのトリビュートとして編まれています。
　それは書名からして明らかなのですが・・・

　読んでみるとその玉石混交ぶりには驚いたと言うべきか、微笑ましいと言うべきか。

　私の好みは、次の作品ですが、いかがでしょうか。

七胴落し　･･････辻村深月
完璧な涙　･･････仁木　稔
魂の駆動体･･････森　深紅
敵は海賊　･･････虚淵　玄

　神林長平がデビュー三十周年を迎えたことは、＜ゼロ年代日本ＳＦベスト集成＞として編まれた、 大森　望　編『ぼくの、マシン』を読んで知りました。
　そこでも神林の標題作は、アンソロジーの棹尾を飾り、総括するものとして掲載されています。
　やっとインターネットが拡大し始めていた2002年に初出の『ぼくの、マシン』で、 既にパーソナルなコンピュータの最期を書いた神林は、相変わらず最先端を走っています。
「いま我々は、たしかに、＜その後の世界＞を生きている気がする。」と、 2010年、神林は自己の作品にコメントをしています。

　さてこのアンソロジーで、私が見つけたのは
　ラギッド・ガールを引っさげてきた　飛　浩隆　です。

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