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　30年あまり前『ライ麦畑でつかまえて』として出版され、一世を風靡した本が、 村上春樹の新しい訳で出版されました。

　私も昔わくわくしながら読んだ一人です。 当時学校図書委員で、新しく購入したこの本を整理して、そのまま家へ借りて帰りました。

　その後、『ナインストーリーズ』『フラニーとズーイー』等など、 いわゆる「グラシアンサーガ」シリーズを読みつづけました。 同じように学生時代にサリンジャーを読み漁った人も多いことと思います。

　新訳となってあらためて読んでみましたが、他のサリンジャーの本と同じく どこといって特徴のない、取りとめのないモノローグの連続はあいかわらず。

　それでも、自己中心のナイーヴな心情の吐露にひきつけられたあの頃が懐かしく思い出されます。

　２０１０年１月、サリンジャーの死が伝えられました。また一つ、時代が過ぎ去っていきます。

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