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　おはずかしいかぎりですが、つい最近まで『ハックの冒険』を読んだことがありませんでした。

『トム・ソーヤーの冒険』『王子と乞食』などは、小学生の頃読んでいます。
　そのときに、『ハックの冒険』を読みそびれ、そのまま今にいたります。大人向きだよ、と本の 紹介にはありましたが、やっぱり『トムの冒険』の延長上に見てしまいます。

　今読んでみると、たしかに大人向き。十分鑑賞に耐えます。


　なんといっても、おもしろい。機知にとんだ物語が、スピーディに流れていきます。
　荒唐無稽な展開が、作者の冷静な筆のおかげで、無茶に思えない。

　でも、もう一方でアメリカの若さを感じさせてくれます。いつも希望があり、主人公が(すなわち 作者が)未来を信じていることがわかります。
　現代の日本には、そしてアメリカですら見られない、若い楽天的な物語。

　もうひとつ、気がついたのはミシシッピをくだる途中の、河岸の風景描写がいきいきとして すばらしいこと。蒸気船にのって河を上下したトウェインを彷彿とさせます。

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